「自分の才能とは何か?」
私はその答えをずっと探していました。
「自分の才能が知りたい」「職場で能力を発揮したい」と思っている方は多いでしょう。
書籍『天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ』は、そんな方にこそ読んでもらいたい本です。
私はいろいろな才能を見つけるための本を読んで、自己診断ツールなども使って「自分の才能って何だろう?」と探し続けてきましたが、この本を読んでまた少し思考が整理されました。
そこで今回は、本の内容というより、私が『天才を殺す凡人』を読んで思ったことや感想についてご紹介します。
『天才を殺す凡人』には、天才と秀才、凡人の3種類が登場する
書籍『天才を殺す凡人』には、天才、秀才、凡人の3種類が登場し、天才は「創造性」、秀才は「再現性」、凡人は「共感性」に優れた人物です。
本書では、会社の人間関係をもとにしたストーリー形式が取られており、サラリーマンの凡人・青野トオルを主人公に話は進んでいきます。
ただ、世の中にはさまざまな人がいるので、必ずしも天才、秀才、凡人にぴったり当てはまるとは限りません。
そのため本書には、ほかに「創造性と再現性」を持ったエリートスーパーマン、や秀才の亜種・サイレントキラーなども登場します。
詳しい才能や特徴については、ぜひ本を読んでもらいたいので、ここでは省略しますね。
本書では天才と秀才、凡人の相関関係や価値観の違いなどが、文章と図で紹介されているので、かなりわかりやすくなっています。
私たちは自分に配られたカードで勝負するしかない
『天才を殺す凡人』を読んで思ったことの一つは、「結局、私たちは自分に配られたカードで戦うしかないんだな」ということでした。
人それぞれ個性があるので、いくら「天才と呼ばれたい」と思っても、自分に秀才や凡人の才能しかなければ、それはできません。
私も昔は、自分のバランスがいいだけで突出したスキルがないところが嫌で、専門性を持った「スペシャリスト」に憧れていましたが、どうもそれはできないと思いました。
自分で何かを創り出す、クリエイティブな活動は好きですが、あくまでそれも再現性の範囲であり、「革新的なサービスを生み出すのは厳しいかも」とも感じます。
おそらくですが、自分は「凡人よりの秀才」か「凡人」のどちらかかなと思います。そこに「創造性」が少し混ざる感じですかね。
「わかりやすい説明できる」「人の気持ちがわかる」とかよりも、もっと創造性のある華やかな能力が欲しかったとは思いますが、最終的には自分が持つ才能の部分に舞い戻ってくる気がします。
ストーリー形式で正解だと思った
正直『天才を殺す凡人』を最初に読んだとき、ビジネス書のようなノウハウ本を期待していたので、少しガッカリしました。
ですが、読み進めていくうちに「ストーリー形式で正解だな」と思いました。
ノウハウ本の形式は、確かに情報が整理されていてピンポイントで知りたいことはわかるのですが、自分の仕事や職場で活かすイメージがつきにくいところがあります。
その点、本書ではそれぞれの才能を持った登場人物が、会社でどのように活躍し、何が得意で不得意なのかがストーリーで理解できるので、「仕事や会社で自分の能力をどう発揮すればいいのか」がわかりやすくなっています。
そして特に重要なのが、「犬」の存在。
本書の登場人物の一人(一匹?)として、あの渋谷にある銅像の犬が登場するのですが、この犬は「創造性」「再現性」「共感性」の3つを兼ね備えた、「すべてを理解する者」です。
ストーリー形式で話が進行する中、この犬が要所要所で端的な説明をしてくれるので、それぞれの才能の特徴や活かし方が理解しやすくなっています。
ストーリーによる展開は、著者の北野 唯我 氏も意図的にやったようで、本書の「解説」を読んだときには「なるほど….」と納得させられましたね。
というか、巻末にまさか「ストーリー形式にした理由」が書いてあるとは思わなかったので、こちらとしては気持ちを見透かされた感じです。
本書の「解説」には、著者の考えや才能を活かすヒント的な内容が入っているので、個人的には『天才を殺す凡人』を読んだときには、ぜひ読んでほしい部分ですね。
3つの才能をすべての人が持っている
これは本書にも書かれていますが、すべての人の中に天才は存在します。
天才とは「創造性」に優れた人物です。
私たちは、誰もが「創造性」「再現性」「共感性」の3つを持っています。
人によってその割合が違うだけで、「創造性:1、再現性:5、共感性:4」とか、みんなの中に天才も凡人も存在しているわけです。
私の解釈も含みますが、おそらくこの3つのうち「どの才能が最も強いか」という才能の強弱によって、自分が「天才」「秀才」「凡人」のカテゴリーのどこに属するかが決まると言えます。
そして問題なのは、私たちの多くは自分の中にも天才がいるのに、その才能を自分で殺してしまっているということ。
たとえば、子どもの頃は、世間体とか周りの声とか全然気にしなかったのに、大人になると気にするようになりますよね?
「変に思われるかも」「こんなアイデアだめだ」といった具合にです。
その結果、自分の思考にブレーキがかかり、アイデアを閃いても実行しなかったり、頭の中で流したりして終わることがあります。
私は天才とは、自分の考えや思いつきに耳を傾け、批判を恐れず実行してきた人たちだと思っています。
「自分は凡人かもしれないけど、ちゃんと自分の中には天才も秀才もいる」。
そう思うと、何だか自分にも無限の才能があるような気がしてきますね。
まとめ
『天才を殺す凡人』はAmazonで試し読みして、Kindle版で買いました。
才能について書かれた本は多くありますが、「天才」「秀才」「凡人」という3つに分けたところが何よりすごいなと思いましたね。
それぞれの才能の長所・短所が理解しやすく、仕事や職場でどう活用したらいいのかもイメージしやすい点が、他の才能関係の本よりも優れています。
自分の才能について探し続けている方には、オススメの一冊ですよ。