話がイメージできる!抽象的な表現を具体的な話し方に変えるコツ

話がイメージできる!抽象的な表現を具体的な話し方に変えるコツ

抽象的な話し方ができる人というのは、「頭がいい」といわれることがあります。物事の本質を掴んで、端的に表現できるというのがその理由です。

ですが、一方で「具体性に欠ける」と言われることもしばしば。特に仕事では、効率を求める意味でも具体的に話すスキルが求められるものです。

そこで今回は、抽象的な表現を具体的な話し方に変える方法についてご紹介します。

具体的でイメージの湧く話し方を身につけて、コミュニケーションの質を上げていきましょう!

 

「話が抽象的」と言われる、、、

「話が抽象的」と言われる人でも、自分では具体的に話しているつもりということがあります。

なるべくわかりやすく話そうと思っているので、話す内容や文章にも人一倍気を遣っていることは少なくありません。

ですが、簡潔に話すことを意識しすぎるあまり、必要な情報までカットしまったり、言葉が抽象化してしまったりしてしまうこともあるものです。

私もアウトドア記事を執筆した際に、「〇〇山らしい風景……」と記述して、クライアントさんから「表現が漠然としている」と言われたことがあります。

自分ではわかりやすく伝えたつもりなので、「表現が抽象的」などと言われると結構ショックなんですよね。

そこで改めて、「抽象的」という言葉を辞書で調べてみると、このように記載されていました。

 いくつかの事物に共通なものを抜き出して、それを一般化して考えるさま。
 頭の中だけで考えていて、具体性に欠けるさま。

出典:コトバンク

抽象的という言葉には、2つの意味があるんですね。

1の「いくつかの事物から共通の点を抜き出して、一般化する」というのは、たとえば、ボールペンや消しゴム、定規などをまとめて文房具と呼ぶように、複数のモノ(出来事や道具など)の本質を捉える力という意味です。

2はそのままで、「話の具体性に欠ける」などの意味ですね。

おそらく抽象的な表現で悩む人の多くは、2の「具体性に欠ける」という点で困っているのだと思いますが、一方で、抽象的な表現がときどき「わかりやすい」と言われることがあるのは、1の「全体の共通した箇所をつかむ思考」という意味があるからといえます。

このように「抽象的」というのは、必ずしも悪い意味ばかりではありませんが、上司への報告や相談、接客などの仕事の場では、具体的な説明を求められることも多いものです。

そのため「どんな表現が具体的なのか?」ということを知っておくことは、仕事をする上でも大切なことです。

具体的な話し方は「イメージしやすい」

具体的な話し方を一言で表現するなら、「聞いていて頭の中にイメージが浮かんできやすい表現」ということができます。

必要な行動や態度、時間、場所などの細かい情報が詰まっているので、写真や景色を見ているかのように細部までリアルに頭の中でイメージすることができるのです。

ここでは、相手にイメージを抱かせやすい、具体的な話し方のコツについて紹介していきます。

視点をミクロにする

抽象的な表現というのは、物事の大枠を捉えたマクロ視点の話し方。対して、具体的な表現では、細かい情報まで分かるミクロ視点の話し方となります。

たとえば、22才会社員(男性)で事務職をしているAさんが、上司から「今なんの仕事をしているの?」と聞かれたとします。

マクロ視点の場合は、全体の物事や共通点を説明する話し方になるので、

「今は、来月開催する事業の準備とデータ入力をしています」

といった回答になるでしょう。

この答え方でも何となくやっている作業は理解できるのですが、少々イメージが湧きにくいというのが伝わるでしょうか?

この文章の抽象的なポイントを整理すると、以下のようになります。

  • 来月開催する事業→「どの事業?」
  • 準備→「どんな準備?」
  • データ入力→「何のデータ?」

部下の仕事を把握しておきたい上司としては、イマイチ物足りない回答で、ツッコミどころも満載です。

 

上記の例を具体的な話し方に変えるとこんな風になります。

抽象的:「今は、来月開催する事業の準備とデータ入力をしています」

具体的:「来月開催する親子イベントで、参加者に配布する説明資料を作っています。それと、受付名簿の作成に必要なデータも合わせて入力中です」

 

実際に今、部下がやっている作業が、よりクリアで鮮明になった気がしませんか?

具体的に話したいときは、ざっくりした内容ではなく、細かい情報まで伝えるようにすると一層イメージしやすくなります。

私もどちらかというと抽象的な表現が多いタイプなので、ミクロ的な視点を持つことを意識しています。

話すときに限らず、文章を書くときなどは細かい情報を入れるようにすると、内容が具体的になり、聞き手にも伝わりやすくなるものです。

伝える情報を省略しすぎない

日頃、話し方や文章などにやたら気を遣っている方は、言葉を整理しようとしすぎて、必要な情報までをカットしないように気をつけることが大切です。

抽象的な表現は、具体的な表現よりも言葉数が少なくなるような気がするので、「コンパクトに話そう」と思えば思うほど、言葉を省略してしまいたくなります。

ですが、言葉数を少なくして抽象度を上げてしまうと、本来伝えるべき必要な情報までが失われ、具体性のない話し方になってしまうこともあるものです。

先の例「今は、来月開催する事業の準備とデータ入力をしています」を題材にすると、以下が省略箇所であり、具体的表現に変えられるポイントです。

  • 来月開催する事業→「親子イベント(という事業)」
  • 準備→「参加者に配布する説明資料の作成(という準備)」
  • データ入力→「受付名簿を作成するのに必要な(顧客データの入力)」

具体的にすると、どうしても話が長くなってしまうので、ついつい私も省略したくなってしまいますが、変に省略すると抽象的な言い方になってしまいます。

友達との会話も同じで、細かい話を省略して抽象化してしまうとイメージが湧かず、せっかくおもしろかったエピソードもおもしろい話に感じなくなってしまうことがあるものです。

「先週、旅行に行ったとき、泊まった旅館のご主人がフランクでおもしろかった」と言われるよりも、「先週、旅行に行ったとき、泊まった旅館のご主人が、廊下で会うたびに変顔で挨拶してきた」、と言われた方がおもしろいですよね。

少し話が長くなったとしても、必要な情報はちゃんと伝えないと、相手にうまく伝わらないものです。

例を挙げる

わかりやすい話のテクニックとして、具体例を入れることは鉄板中の鉄板。

抽象的な話も、会話の中にさりげなく「実際に体験した例」や「エピソード」を盛り込むことで、リアルな情景を相手にイメージさせることが可能です。

私は、前職である市役所の面接試験を受けたとき、このような質問をされました。

「普段ストレスが溜まったとき、どうやって解消していますか?」

それに対する私は、

「入浴のときに電気を消して、アロマを焚くなどリラックスできる時間をつくって、(ストレスを)解消するようにしています。」

と回答しました。

これが適切な答えかどうかは置いておくとして、とりあえずイメージはしやすいですよね。

逆に、同じ質問を抽象的に答えると、

「リラックスする時間を積極的につくって、気持ちを切り替えるようにしています」

といった具合になるはずです。

 

以下、両者を比較して、ポイントを整理するとこうなります。

抽象的:「リラックスする時間を積極的につくって、気持ちを切り替えるようにしています」

具体的:「入浴のときに電気を消して、アロマを焚くなどリラックスできる時間をつくって、(ストレスを)解消するようにしています」

共通のポイント:リラックスする時間をつくる

回答に挙げた具体例:「入浴中に電気を消して、アロマを焚く」

 

すでにお気づきの方も多いと思いますが、この記事もあらゆるところに具体例を使っています。

『抽象的な表現を、具体的な話し方に』という記事テーマがすでに抽象的な表現なので、読者のイメージを手助けする意味でも、「具体例」や「エピソード」など、誰もがはっきりとイメージできる補足が必要なのです。

時間や日程を意識する

時間や日程が詳しく書かれていないメモや話というのは、相手から「抽象的」という印象を持たれやすくなります。

仕事がデキる人ほど、時間を強く意識している傾向があるので、「どのくらい時間がかかるのか?」「いつできるのか?」など、時間にシビアであることは多いです。

また、時間や日程があいまいだと思わぬ誤解を招くこともあります。

たとえば、上司から「今度打ち合わせする、〇〇プロジェクトの資料だけど、いつできそう?」と聞かれたとして、「もう少し待ってもらえますか」と答えたとしましょう。

自分では「もう少し」と時間を伝えたつもりかもしれませんが、「もう少し」は人によって時間の感覚が違います。

こちらとしては「もう1〜2日待ってほしい」という意味で言ったとしても、上司は「10分か20分で出来る」と思っているかもしれません。

時間や日程を意識することは、具体的な数字を伝えることにも繋がるので、結果的にわかりやすい話し方になります。

抽象的でも話の意味は伝わる。でも、イメージが見えてこない

「私の話は抽象的なんです。どうすれば改善できますか?」

この文章からでも、改善したいという気持ちや困っているという気持ちは伝わってきます。

ただ、実際に抽象的な表現で困ったという「エピソード・具体例」がないので、相談された側も、どこをどう指示していいかポイントが見えないわけです。

ほかに、「仕事が早くなるにはどうしたらいいですか?」といった質問も同じ。

仕事が早くなりたい、悩んでいるという気持ちは伝わってきますが、具体的に「どんなときに仕事が遅いと感じるのか」については不明なので、アドバイスする側も困ってしまいます。

仕事の優先順位などの時間管理、タイピング速度や業務知識といった技術的な問題、上司の決裁の遅さなど、具体的なエピソードを入れることで、相談された側もイメージがしやすくなるものです。

抽象的な言葉が心に響くときもある

具体的な話し方は仕事でも求められるものですが、逆に、抽象的な表現が心に響くこともあります。

その良い例が、音楽の歌詞です。

抽象的に書かれた歌詞は、聞き手によっていろいろな解釈ができるので、自分の体験や悩み、過去の出来事など、自分の心情に重ねて、自由なイメージで聴くことができます。

以下は、私が好きなスピッツの曲、「楓」のサビ歌詞です。

さよなら 君の声を 抱いて歩いていく
ああ 僕のままで どこまで届くだろう

出典:スピッツ「楓」

「君の声」や「僕」など抽象的な表現を使い、あえて性別や年齢、情景などを具体的に書かないことで、時代に関係なく、心揺さぶられる共感性の高い歌詞となっています。

聞き手の自由な発想で、いかようにも意味を解釈できる点は、抽象的表現の魅力です。

抽象的、具体的表現を使い分ける

抽象的な表現も、具体的な表現もどちらも良いところがあるので、使い分けができるのが一番望ましいといえます。

効率の良さを求める仕事では、具体的に話せる方がスムーズにやり取りも進むといえますが、ときに人間関係では、抽象的な表現の方が柔らかくていいということもあります。

「友人が仕事でミスをした」、「同僚が恋人と別れた」など、本人が触れられたくないだろう話を他の人に話さないといけない空気になったとき、具体的な表現しかできないと最悪です。

「なんか大変だったみたいだよ」「仕事でいろいろあったみたい」など、適度に抽象的な表現ができるから、私たちは社会でやっていけるといえます。

抽象的な表現と具体的な表現のメリットを考えつつ、話や文章に気をつけてみるといいかもしれませんね。

まとめ

具体的な話し方ができると相手に伝わるイメージが明確になり、質問やメモ書きなども前よりわかりやすくなります。

抽象的な話し方をしてしまう人は、物事を大枠で考えるクセがあったり、頭で考えすぎてしまったりする傾向があるので、実際に起こった事実や行動・体験などディテールを意識して話してみるといいでしょう。

ただ、複数の物事を抽象化できる能力も、マネジメントの場などでは立派なスキルといえるので、ぜひ大切にしてくださいね。