就活や転職の際に、「安定した会社に入りたい」と思う人は多いでしょう。
公務員や大企業に入社すれば「これで大丈夫」という安心感があるかもしれません。
でも、本当にそうでしょうか?
一昔前まではそうだったかもしれませんが、現代は変化が激しいので、公務員になったり、大企業に勤めたりしても、いつ、どんなことが起こるかわかりません。
私は前職で市役所職員と大手保険会社の100%子会社に勤めていましたが、常に一つの会社に依存することはリスキーだと思っていました。
倒産やリストラに遭って職を失った時に、お金も仕事もいっぺんになくなると思ったからです。
今回は、そんな一つの会社に依存した働き方について私が思うことをご紹介します。
公務員、大企業は安定か?
就活を控えた学生であれば、親から「ちゃんとした企業に勤めてほしい」と言われたことがある人もいるかもしれません。
でも、変化が激しい今の時代、公務員になったり、大企業に勤めたりしても果たして安定と言えるのかは疑問です。
たとえば、2008年に経営破綻したアメリカ大手証券会社のリーマン・ブラザーズ、2010年に経営破綻した日本航空(JAL)。
ニュースを見て「まさかこの会社が!?」と驚いた方も少なくないでしょう。
経営破綻までいかなくても、「利益が上がらない」「顧客ニーズに対応できない」などの理由から、M&Aで自分の会社が他社に取り込まれる可能性も十分にあります。
公務員の場合、リストラや倒産はありません。
しかし、手に職が付く職業ではないので、万が一、法律や国の制度が変わって退職を考える状況になった時、新しい働き口に困るのではと思っていました。
公務員や大企業は一見安定しているように見えるかもしれませんが、実際はそうでもないと言えます。
大企業は建物もしっかりしているし、福利厚生などの制度も整っていることが多いので気付きにくいかもしれませんが、経営陣は常に「次に何をしよう」「どうしたらいいのか」とあくせくしています。
自分が収入アップさせるために副業を考えたり、仕事で成果を上げたりするために、悪戦苦闘しているのと同じです。
一つの会社に依存するのはリスキーだと思う
私は、一つの会社に依存する生き方は、結構リスキーだなと思っています。
なぜなら、その会社がこけたら、お金の仕事もいっぺんに失ってしまうからです。
公務員は特にそうかなと思っています。
定期的に職場変えを繰り返して、税金関係や福祉・介護、イベントなど様々な事務作業を行いますが、スキルはあまり身に付きません。
これが、私が市役所を退職した理由の一つです。
30代、40代と年齢を重ねていき、何らかの事情で退職することになった時、何のスキルもないことに不安を感じました。
「私はこれができます!」「〇〇が得意です」そういったものがないと、転職するにしても起業するにしても上手くいかないと思ったわけです。
「今、この会社がなくなっても自分は生きていけるだろうか?」そんな風に考えたので、この先は自分で事業を展開して収入を得たいなと思いました。
会社員として生きるなら、副業や資産運用も考えるべき
2年間フリーランスの活動をして思ったのは、会社員の頃から、副業や資産運用はやっておくべきだなということです。
会社員は、毎月確実に給料が入ってくるという点では「安定している」と言えます。
その特権を利用して、「もしも会社がなくなったら…」ということを想定して、スキルなりお金の準備しておくことをオススメします。
副業でお金を稼いで、スキルも身に付ける!
副業としては、クラウドワークスやランサーズなどで仕事を受けてみるのがいいかもしれません。
クラウドワークスやランサーズは、仕事を依頼したい個人や企業と、仕事を受けたい人をつなげるサービスです。
データ入力作業やライティング、画像編集など、仕事の種類は多岐に渡ります。
本業とは別に自分のスキルを活かしたり、磨いていったりするにはいいでしょう。
クラウドワークスやランサーズは私も利用していますが、最初の頃は「単価が低い」と感じるかもしれません。
でも、スキルや知識が身に付いてきて評価も高まってくれば、高単価の案件が受けられるようにもなります。
これらを利用してスキルを磨いていけば、単にお金が入ってくるだけでなく、「会社に依存しなくても、やっていけるかもしれない」という自信にもなるはずです。
ほかにブログを始めたり、アフィリエイトを始めたりするのもいいですね。
ただ、公務員の方は副業禁止となっているので、次に説明する資産運用を考えてみるといいでしょう。
資産運用で、転職・起業、老後に備える
資産運用は、国も力を入れているNISAやiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)が初心者にはオススメです。
私も2020年から投資信託の『つみたてNISA』を始めましたが、100円からの少額投資もできるので、「初心者の自分でも利用しやすいな」と思っています。
投資信託は、株よりもリスクが低く、金利がほぼゼロの銀行よりお金が増える可能性のある金融商品です。
ただし、選ぶ銘柄によっては元本割れする可能性もあるので、「多少のリスクがあるのはわかっているけれど、将来に向けてお金を増やしたい」という方にオススメです。
お金の運用はプロにお任せなので、普段はほったらかしておいてOKです。
NISAで選べる銘柄は、国が厳選したものなので安心感もありますね。
もう一つの iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)も国がつくった制度で、老後の資金作りができる商品です。
自分で商品を選んで運用し、その運用結果が60歳以降に年金として受け取れる制度ですね。
掛け金は月額5,000円以上からとなっていますが、iDeCoは全額所得控除の対象となるので節税のメリットもあります。
今は国も「個人の資産は自分で用意してほしい」という考えなので、資産運用をしなくても、とりあえずお金について勉強しておいて損はありませんよ。
会社員を続けながら「やりたいこと」をやると質を維持できる
会社員の人はブラック企業でもない限り、土日など休みがありますよね?
その時間を利用してできることなら、会社員を継続しながら、続けてみるのもアリかもしれません。
フリーランスを経験した思ったのは、公務員や会社員として固定収入があるのは、思った以上に精神の安定に作用していたということです。
私はアウトドア専門学校時代に、自己啓発本やビジネス本を読み漁っていました。
成功哲学の提唱者であるナポレオン・ヒルの著書『思考は現実化する』には大きな影響を受け、貧乏にも逆境にも耐えられるマインドつくってきたつもりでした。
それにより確かに、貧乏に耐えられるマインドはできたのですが、現実には家賃や光熱費の請求がやっていきます。
当然、どうにかしないといけません。
そうなるとお金が思うように稼げない事態から、何とかしようとするあまり、自分の大事にしている価値観が貫けなくなるようになりました。
「人のためになる質の高い仕事がしたい」と思っていても、家賃や光熱費を払わないと生活できない現実から、やりたくない仕事で目先の収入を取らざるを得ないことも出てきたわけです。
もし今、公務員や会社員をしているのであれば、本業と並行してできるやりたいことなら、並行してやるといいと思います。
当然、「好きなこと・やりたいこと」に多くの時間を割けないため、苦痛や我慢はあると思いますが、会社員としての固定収入があると結果に捉われずにすむので、やりたいことの質も維持できます。
本業ではない、趣味や無給でやっていることだからこそ、自分らしく、思い切って取り組めるのではないかと今は思っています。
すべては公務員を辞め、会社員も辞めて、フリーランスとして飛び出したからこそわかったことです。
本業で安定したお金を得て、空いた時間で好きなことをすることで、収入や成果に縛られることなく、精神的にラクにやっていけると思います。
まとめ
ダイレクト・レスポンス・マーケティングの権威である、ダンケネディの言葉だったと思いますが、ビジネスにおいて「1」という数字にはリスクがあります。
顧客が一人しかない、収入源が一つしかないと、その「1」がなくなった瞬間に、仕事もお金もなくなります。
ただ世の中には、会社員としてやっていくのが得意な人もいるので、それはそれで全然問題ないと思います。
全ての人が起業家思考で「オレが、オレが」と前に出る人ばかりでは、会社は成立しません。
社長や経営者の意図と汲み取り、的確に仕事を行うフォローが得意な人材も絶対に必要です。
変化に激しい時代だからこそスキルを身に付けたり、資産運用を考えたりして、会社に依存しない働き方を考えてみるといいかもしれないですね。