なぜ、お客様からのクレームはありがたいのか?

なぜ、顧客からのクレームはありがたいのか? 仕事
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「クレームはありがたいと思え」

市役所職員をしていた20代の頃は、そうは言われてもなかなか納得できませんでした。

お客様から苦情を言われて嫌な気分になるのに、「一体、何がありがたいのか」わからなかったからです。

確かに意見を言ってくれる人は貴重な存在ですが、それを頭では理解できていても、気持ちがついてこないといった感じでした。

でも、フリーランスとして一人で仕事をするようになってから、「ダメ出しはありがたいな」と思えるようになりました。

むしろ「ダメ出ししてほしい」と思うこともあるくらいです。

そこで今回は、なぜ、顧客からのクレームがありがたいのかについて私の体験も踏まえてご紹介します。

20代の頃は、クレームがありがたいと思えなかった

職場

職場の上司や先輩から「クレームはありがたいもの」と言われたことがある人も多いでしょう。

私は大学を卒業し、市役所職員として4年間働いていましたが、お客様からのクレームがありがたいとは、どうにも思えませんでした。

頭では「意見を言ってくれる人はありがたい」と理解できていても、苦情やダメ出しを受けるとテンションも下がるので、心の中では納得できていなかったのです。

自分がつくった企画や担当事業に対して「このやり方じゃダメだ」「情報提供がなっていない」と言われることに腹立たしさも感じました。

自分が一生懸命にやっていること、自信のある企画などであれば、なおのこと「クレームなんか受けたくない」と思ったものです。

一人で仕事して気づいた、ダメ出しのありがたさ

パソコンと机

市役所職員と会社員を経験し、退職してフリーランスになったことで、いつしか「ダメ出しはありがたい」と思えるようになりました。

私がやっているWebライターは、ネットを通じて企業や個人と契約して、文章を作成する仕事です。

在宅で業務が完了するため、顧客とはメールなどでやり取りをします。

実力主義といえる業界なので、文章を納品しても意見を言われないことも多く、「技術が足りない」「文章がイマイチ」などの理由から、急に契約がなくなったり、契約にならなかったりといったことも少なくありません。

褒められることも、不平・不満を言われることもほとんどないのです。

そのため、テストライティングで落とされたり、契約がなくなったりしても、自分がダメだった部分の判断のしようがありません。

その意味で、ダメ出しなどフィードバックをくれる人は、とてもありがたい存在です。

私もそうですが、食べ物や日用品でイマイチのものがあったとしても、わざわざ企業に電話して「●●商品は、もっとこうした方が…」などと意見は言わないですよね?

「契約更新か、打ち切りか」といった結果しか分からないと、今の仕事のやり方で合っているのかも、自分がどこまで成長しているのかも分かりません。

市役所職員や会社員を辞めて、一人で仕事したからこそ、修正やダメ出しのありがたさに気付けました。

ポイントは「成長意欲」と「素直さ」にある

風船

クレームがありがたいといっても、ダメ出しを受けることでへこむことや気持ちが下がることはもちろんあります。

ただそれでも、意見を言ってくれる人は貴重です(毎日連絡してくるようなクレーマーは除いて)。

私はクレームをありがたいと思えるかどうかのポイントは、成長意欲と素直さの2点にあるのではないかと思っています。

その仕事でどれだけ成長していきたいか

「成長意欲」とは、その仕事でどれだけ自分が成長していきたいかということです。

「もっと文章が上手くなりたい」「いい記事を書きたい」そういう向上心があることで、ダメ出しや修正もありがたいと思えるようになったのだと思います。

フリーランスという、誰からも何も言われない環境である点も大きいでしょう。

上司も先輩もおらず、褒められることもダメ出しされることもない環境では、自己分析をして自分の成長を実感していくほかありません。

企画や記事を自分の作品と思わない

もう一つ、「素直さ」も大事なポイントです。

成長意欲だけが高くても、他人の意見を受け入れることができなければ、いずれ成長は鈍化します。

私はこだわりが強い方なので、市役所職員の頃は「修正されたくない」「自分の作品にケチをつけるな」という気持ちが大きくありました。

企画立案でも文章作成でも、こだわりが強すぎると他の人の意見を無視したくなります。

フリーランスのように一人で仕事する環境は自由だし、誰からも指図されないので、憧れる人も多いでしょう。

私も理不尽な指図をされるのが嫌いなので、自由に仕事ができる働き方にずっと憧れてきました。

でも、誰からも何も言われない環境というのは思った以上に厳しくて、自分のダメ部分や足りない部分がよく分からなくなることもあります。

自分で自分の尻を叩かなければならないフリーランスにとって、「もっとこうした方が良くなるよ」と言ってくれる誰かはありがたい存在です。

まとめ

クレームを受けることは、決して気分のいいものではないかもしれません。

しかし、今の仕事を発展させたり、自分が成長していったりするためには必要なステップともいえます。

市役所職員の頃は、ダメ出しのありがたさについてよくわかっていませんでしたが、一人で仕事をするようになってからは、意見を言ってくれる人の存在は本当に貴重だなと思えました。

褒められることも、不平・不満も言われない環境にいると、自分の進んでいる道が正しいのか、間違っているのかがわからなくなることがあります。

すべてのクレームがありがたいとは言いませんが、自分の成長を手助けしてくれるクレームも世の中にはあると思います。