好きなことは仕事になる?【超リアル】アウトドア専門学校卒業生の就職先・仕事一覧

好きなことを仕事 アウトドア 仕事
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好きなことを仕事にするべきか、普通に会社員をするべきかで悩む人は多いもの。私もその一人でしたが、結局は「好きなことを仕事にする道」を選ぶことにしました。

ただ、好きなことを仕事にしたいと思っても、今の現状から飛び出すには勇気が必要で、「本当にうまくいくのだろうか・・・」と、不安になることもあるものです。

私が29歳で卒業したアウトドア専門学校は、ほとんどの人が「自然が好き」「山が好き」といった理由から入学してきていました。ちょっと特殊な学校は、在校生の約2割が社会人経験者という異例の状況です。

大半の生徒は、卒業後にアウトドアや自然に関する分野で働くのが目標なのですが、現実の就職先や仕事はどうなのでしょうか?

そこで今回は、好きを追求しようとしたアウトドア専門学校生の卒業後の就職先や仕事について、リアルな情報をご紹介します。

 

どこにある?アウトドア専門学校

笹ヶ峰

そもそもですが、「アウトドアに学校なんてあるの?」と思った方も多いでしょう。アウトドア専門学校は新潟県にあって、正式名称を「国際自然環境アウトドア専門学校」といいます。

全国でも珍しいアウトドアの学校には、山の学科、教育・アウトドアスポーツ学科、ガイド育成の学科などがあり、自分の興味に合わせた学科選びが可能です。

授業は実際にフィールドに出て行うものが中心で、登山やキャンプ、ボルダリング、ガイド技術、動植物の調査などを体験しながら学んでいきます。

救急法やガイド系の資格など、必要な資格も在学中に取れるので、卒業後はアウトドア業界の即戦力として期待されることが多いです。

ほかに、北海道にも「北海道エコ・動物自然専門学校」というアウトドアの学校があって、こちらはアウトドアガイドだけでなく、水族館スタッフやトリマーなども育成しています。

自然関係の中でも『動物系の仕事』に就きたい方におすすめの学校ですね。

好きなことは仕事にできる?

キャンプファイヤー

自身の経験や専門学校時代の卒業生を見た結果、好きなことを仕事にすることはできるといえます。具体的にいうなら、その好きなことに何らかの「ニーズがあれば」仕事にできるということです。

アウトドアに限らず、たいていの職業にはすでにその分野で成功している人がいます。好きなことを仕事にしたい場合は、そういったすでに成功している人にやり方を教えてもらったり、マネしたりすればいいわけです。

ですが、テレビや本を読んでいると起業の失敗話や上手くいかなかった話も数多くでてくるもの。「自分なんて…」と思う方も少なくないでしょう。

確かに自分がやろうとしている「好きなこと」に実際に挑戦して、挫折した人の話であれば非常に説得力があります。経験者の話だけに、本当にできないのかもしれません。

ただ、一つ言えるのは、他人の成功や失敗はあくまでその人の結果であって、自分の結果ではないということ。他人の成功や失敗話は参考にはなるけれど、一つの事例(ケース)でしかありません。

好きなことを仕事にできるかどうか、上手くいくかどうかなんていうのは、結局、自分自身でチャレンジしてみなければわからないのです。

超リアル!アウトドア専門学校卒業生の就職先・仕事一覧

笹ヶ峰 ぶくぶく池

「好きなことを追求したい」「仕事にしたい」という思いから、入学してくる人が多いアウトドア専門学校。私が在籍していたときの全校生徒は約100人で、同じ学科の同級生は最終的に3人になっていました(私を含み3人なので実質2人)。

アラフォー男性と18歳女子が同じ教室で授業を受けるシュールな学校ですが、卒業後はどんな職業や仕事に就いているのか気になりますよね?

ここからは、卒業後のリアルな職業や動向についてご紹介するので、今「好きなことを仕事にしたい!」と思っている方は、一つのケースとして参考にしてみてくださいね。

市役所職員

20代前半の男性ですが、卒業後はアウトドア関係の仕事でも何でもなく、普通に市役所職員となりました。3年間もキャンプや野外教育の勉強をしたのは何だったのかと思ってしまいますが、本人は「安定」を望んだようです。ただ2年間の勤務後、思い直すところがあったようで、今では林業関係の仕事に転職しています。

地域おこし協力隊

「地域おこし協力隊」は総務省が行なっている取り組みで、地域外から移住者(若者が中心)を呼んで、約3年間の任期の間、地域活性化の活動を行なってもらうという制度。

希望した地域に住みながら、農漁業やイベント支援、地域のPR活動といった仕事をします。任期中は準公務員のような立場になので給料も出るし、地域によっては車も与えられるようです。

学校卒業後に地域おこし協力隊になる人は割といて、前職が公務員であったり保育士をしていたりする人に多いです。

この仕事を選ぶ人の傾向としては、自分で考えてガンガン動くタイプと、愚直に物事をこなすタイプの2つに分かれる気がします。

自然学校・NPO法人(自然環境系)

自然学校やNPO法人(自然環境系)は、アウトドア専門学校で学んだスキルや知識をいかんなく発揮できるので就職する人も当然いるもの。インタープリター(自然の解説をする人)など、卒業後の進路としては正統派といえます。

普通の就活と違って、アウトドアを仕事にする場合は就職先も限られてくるので、NPO法人など少数精鋭でやっているようなところに自ずと行くわけです。

でも、一番の理由は、自分の経験やスキルが活かせるからですね。キャンプやガイド知識、子供向けの自然体験活動の企画など、好きなことを仕事にできた一つの例といえます。

アウトドアショップ店員

これがおそらく卒業生の就職先としては、最も多いです。アウトドア専門学校は、業界ではちょっと名が知れているので、有名アウトドアメーカーなどに採用されることも多いです。

過去に卒業した先輩たちが、各ショップとの関係を積み上げてきたことで、採用率が高いのも一つの理由といえます。

ただ、ショップ店員に就職したはいいけれど、本当になりたかったのかというと実際は怪しいところで、現実的な生活を考えた上、妥協点として就職している人も少なくないようです。

その場合は、普通のサラリーマンと同じように、休日を使って登山に出かけたり、アウトドアを楽しんだりしていますね。

ニート・フリーター

大学生の就活と同じで、卒業生全員が好きな仕事についた、順風満帆にいったというわけではありません。中には、ニートやフリーターとなる人もいます。

「いったん就職したけれど、すぐ辞めた」「はじめから就職する気はなかった」「家庭の事情」など、理由はさまざまですね。

基本的にフリーターになるのは、20代前半の若い子が多く、社会人を経験して入学してきた人はだいたい定職についています。

登山ガイド

登山・自然ガイドは、アウトドア専門学校らしい就職先・仕事といえるもの。フリーランスまたはアウトドア系企業に就職して、ツアーの案内や安全管理をする仕事です。

アウトドア専門学校では、海外登山の実績も豊富な講師が授業を教えてくれるため、その繋がりから登山ガイドの道が拓けて、卒業後は海外遠征のサポートメンバーに加わったという人もいます。

こういったハードな登山だけでなく、初心者やシニア向けの登山に同行する卒業生もいるので、これはこれで好きなことを仕事にしたといえますね。

ただ、卒業生の中には「ガイド一本でやっていきたいけれど、それでは生活できない」「まだスキルが足りない」といった理由から、やむなく就職する人も。

北アルプス夏山常駐パトロール隊

7月初旬から8月下旬まで一定期間だけ山に常駐して、登山者の遭難防止や安全管理をする仕事。映画「岳」で小栗旬さん演じる、主人公の三歩がやっていた仕事といえば、イメージがつく方もいるかもしれません。

給料が出ているのかは分からないので、もしかしたら仕事ではないかもしれませんが、卒業生の中にはこの仕事をしている人もいます。山好きにはやりがいのある仕事です。

インストラクター

インストラクターとなる卒業生は多く、起業して人からフィットネス関係の会社に勤めて講師をしている人までいます。分野としては、クライミング、スキー、ヨガ、ノルディックウォーキングなどがあり、自分の好きな分野を仕事にした人が大半の印象です。

旅行会社

普通の就活と変わらない感じですが、自然に関するジャンルとして旅行会社に行く人も。登山ツアーや体験旅行などは今では主流となっているので、アウトドアのおもしろさや自然の魅力を多くの人に伝えたい人には向いていますね。

ボルダリングジム店長

学校卒業後、いきなりボルダリングジムの店長に抜擢された人もいるもの。クライミングを専門にやっていた同級生だったので、まぁ不思議ではないかなという感じもありましたが、まだ21才という若さを考えると結構びっくりしました。

アウトドア・自然体験指導者

正統派のアウトドアの仕事は、キャンプや野外炊事、工作、ゲーム活動など幅広い体験活動を企画・運営するもの。

ひとくちにアウトドア・自然体験指導者といってもかなり範囲が広く、インストラクターや登山ガイドもここに含まれることがあります。

私も一時期、この指導者の仕事をメインでやっていきたいと思っていたのですが、施設を持たず個人でやっていくことの難しさや、自身のやりたいことと世間のニーズが合わないことなどから、これ一本でやっていくことは断念しました。

ただ、アウトドア教育指導者としてスキルを磨いて活動しているうちに、だんだん報酬が発生してきたり、地域イベントや親子交流の企画を個人的に任されたりする機会も出てきたので、「好きなことが仕事になってきた」という実感は感じましたね。

自然環境調査員

自然の中をドローンで空撮したり、生き物を調査したりする仕事。アウトドア専門学校で鳥の観察や生き物を採ったりするのが好きだった人が、この仕事についています。

保育士

保育士を辞めて学校に入学する人がいる反面、卒業後に保育士になる人もいるもの。当たり前ですが、保育士を辞めて入学してきた人は、卒業後、地域づくりなどまったく違う仕事についています(ただ、子供向けの企画をしたときの対人スキルはハンパないです)。

今はもうないのですが、以前、学校には「野外保育」の学科があって、私の友達も小さい子の自然遊びや指導スキルを学んでいました。話を聞くと、休日にもなぜか授業が入っているなど、大学の教職課程よりもきつそうなスケジュールでしたね。

念願叶って、好きなことを仕事にした人たちといえます。

自己啓発系コーチ

入学前から登山経験が豊富で、1年生の半ばに「学校でやる意味がない」と山の学科から別の学科に転科した20代前半の男性。彼とは学生時代、一緒の寮に住んでおり、卒業後はクライミングの仕事を個人でやっていくと言っていました。

ただ、今では自己啓発系のコーチの仕事をしています。

彼にどんな心境の変化があったのかは分からないですが、人の心に働きかける仕事は、間違いなく好きでなければできないです。

ベビーカステラの移動販売

もうアウドドア関係ないです。初めは彼も自然関係の仕事に就いたはずでしたが、2018年になってSNSに「ベビーカステラの移動販売始めました!」と、改造したトラックと一緒に写真がアップされていました。アウトドアは自由です。

Webライター

現在の私の仕事です。Webサイトに掲載する記事など書く仕事で、登山などのアウトドア系記事からライフスタイル系記事までを手がけています。

経歴としては、市役所職員→アウトドア専門学校→保険営業→Webライターという流れですが、学生時代からやっていた「アウトドア・自然体験指導者」の肩書きは今も捨ててはいないです。

アウトドアの知識やスキルは、直接体験でしか役に立たないと思っていたので、Webコンテンツを作る分野で活かせるというのは意外だったなと今でも思います。学生の頃は、こんな仕事に就くとは思ってもみなかったですね。

ちなみに一回保険営業をはさんだのは、セールスやマーケティングの知識を身につけるためで、すべては独立したかったからです。

まとめ

木の斧

今回はアウトドア専門学校卒業生を例に、好きなことは仕事になるのか・できるのかについてご紹介しましたが、他のジャンルであっても結果はそう変わらないものです。

服飾系、IT・ネット関連、デザイン、子供の教育などジャンルに関係なく、本気で好きなことを仕事にしたいと考えて動いた人は、自分が望んだ道に進んでいるような気がします。

私は「自然体験の仕事がしたい」という思いのほかに、「独立して」「お金を稼ぎたい」「時間や場所にとらわれたくない」などの気持ちがあったので、現在はWebライターというところに落ち着いています。

結局のところ、好きなことを仕事にできたかどうか、仕事に満足しているどうかは、本人にしかわからないものですが、好きなことを仕事にすることは決して不可能なことではないのです。