「仕事を辞めたい。でも辞められない。」その気持ちよくわかります。
私も公務員を辞めるときは、とても迷いました。
「辞めたい」と思うことと、実際に「辞める」ことの間には、とても大きな差があると感じます。
そこで今回は、私が26歳で市役所を辞めたときの経験について書きました。
今、仕事を辞めようかどうか悩んでいるのであれば、この記事を読んで、一歩でも何か行動を起こしてくれたらいいなと思います。
私が市役所を辞めた5つの理由
(1)「仕事」というものに疑問を持ったから
私が、26歳で市役所を辞めた、最も大きな理由は「仕事」というものに疑問を持ったからです。
・お金を稼ぐためだけに、ツラい思いをして毎日働くのはおかしい ・本当に好きなことで生きていくことは出来ないの? ・もっと働くことは楽しくあるべき |
そんな気持ちからスタートしました。
私の場合「こんな仕事を辞めてやる!」と思って辞めたわけではありません。
4年間やってきた青少年教育という仕事をもっと追求してみたくて、スキルアップを目的に退職しました。
市役所職員の方はわかると思いますが、市役所はだいたい4〜5年間隔で他部署への異動命令が出ます。
私の上司は元人事課だったのですが、確かにそれくらいで周りは異動していました。
私は青少年教育に従事してすでに4年目だったので、来年は人事異動になるかもしれないポジションにいました。
そのため、今の青少年教育の仕事を続けるのなら、市役所を辞めるしかない状況だったわけです。
(2)本気で人生を変えたい
市役所を辞めた2つ目の理由は、「本気で人生を生きてみたい。変えたい」と思ったから。
市役所に限らず、「組織」という大きなバックボーンが無くなったときでも自分の力で生きていける。
そんな確かな技術を身につけたいと思いました。
とはいえ、辞める前はとても不安で、「もしかしたらあとで後悔するかも。辞めたらもう戻れない」と感じていましたね。
それでも「人生一度しかないから思い切り生きたい」、という気持ちは捨て切れなかったわけです。
辞めるときは本当に悩みましたが、背中を押してくれたのは自分の中の二者択一でした。
「この先、市役所に残ること」と「いま市役所を辞めて、学校に入ること」、どっちを選んだ方が自分は将来後悔するだろうか。これです。
この二者択一を真剣に考えた結果、私は市役所を辞めて、アウトドア専門学校に入学しました。
自分の気持ちに真正面からぶつかって選んだ結果なので、辞めてから後悔したことは一度もありません。
むしろ「辞めてよかったー」くらいに思っています。
散々辞めたからこそ、新しく出会えた人たちも大勢いますし、自分に合った働き方を探すチャンスをもらえたわけなので。
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(3)30代を超えてから、辞められる気がしなかった
市役所を辞めた3つ目の理由は、30代、40代と年齢を重ねたとき、辞められる気がしなかったからです。
安定思考に走るのが怖かったわけです。
私は元々は安定志向で公務員を目指したので、できるだけ早いうちに辞めないと、後々辞められなくなると思いました。
30代、40代になって結婚して子どもを持ち、守る家族ができれば、安定を求めるのは目に見えていました。
そうなると、今よりもっと辞めにくい状況になります。
年齢を重ねることで仕事を辞めるのが怖くなり、「このままでもいいかぁ」と思うのが嫌だったわけです。
「本気で人生を変えるなら、一歳でも若いうちに」
そう感じました。
(4)稼げる金額の上限が見えた
4つ目の理由は、生涯で自分が稼げる金額の上限が見えたからです。
公務員は、基本的にアルバイトも副業も禁止です。
給料は俸級制度で決められています。
そのため、自分がどれだけ頑張っても、市長や教育長程度の給料までしかお金が稼げないことが分かってしまいました。
つまり、自分が生涯稼げる金額の天井が見えたわけです。
安定はしているかもしれないけれど、「なんだかつまんないなー」と思ってしまったんですね。
(5)仕事でうつになる人がいたこと
5つ目の理由は、仕事でうつになる人がいたことです。
幸いにも私の職場でうつになる人はいませんでしたが、別の部署の同期がそれに近い状態になりました。
公務員を目指すような人は、真面目で優秀、責任感が強い人も多いせいか、職場でうつになる人が多いみたいですね。
「〇〇さん、以前よりやつれたかも」「今は療養中みたい」といった話を聞くたび、「お金を稼ぐためだけに、毎日ツライ思いをして仕事をするのはおかしい」という気持ちが徐々に強くなっていきました。
この気持ちは間違いなく、私が市役所を辞めることに力をくれたし、今でも行動の原動力になっています。
市役所一年目から「このままの人生でいいのか?」と思っていた
市役所1年目を終えた辺りから、「私の人生、このままでいいのかな?」と漠然と思い始めました。
仕事にやりがいは感じていましたが、同時に、市役所の仕事だけで終わる人生にむなしさも感じていました。
特に同期や職場の人と飲み会があった日の帰りは、その気持ちが一層強くなったものです。瞬間的に襲われる、日々のやりきれない気持ちには勝てませんでした。
常に「何かが違う」という感覚が、自分の中にありましたね。
このまま年をとって、何となく今の仕事を続けていくことを想像するとたまらなくイヤで、怖かったです。
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上司との面談で、退職を決意
辞める一つのきっかけとなったのは、上司との面談です。
3年目の秋に、職員全員が受ける直属の上司との、一対一の面談がありました。
聞かれる内容は、日々の仕事の進捗状況や目標設定、異動したい部署の希望などです。
そこで、上司から「どこか他に行きたい部署はあるか?」と聞かれたので、「今の仕事みたいに自分で考えて、企画したり、事業をつくっていける部署がいいです」と答えました。
すると、上司は「・・・・そういうところは、ないかな」と一言。
私も市役所という仕事柄、答えはうすうすわかっていましたが、それを聞いたときに「もう、無理かな」と思いました。
異動後の自分もイメージできなかったし、今の仕事以上におもしろくなる気がしなかったわけです。
他の部署が、自分には合わない気がしたともいえます。
退職を報告した時期は、5〜6ヵ月前
上司に退職を報告するときは、不満をぶつけないよう意識していました。
退職を報告した時期は、退職日から逆算して5〜6ヵ月前だったと思います (年度末の3月31日に辞めました)。
辞めるときは、報告の手順も大事です。
まず始めに、一番身近な上司である係長に言いました。
いきなり人事課や課長・部長に退職を報告すると、一番身近な上司がショックを受けると思ったからです。
一番身近な上司を飛ばして、いきなりもっと上の上司に報告すると、当然、角がたちます。
円満退職したいのであれば、退職の手順は間違えてはいけませんね。 円満退職について、もっと知りたい方はリクナビNEXTのこちらの記事がおすすめです。
あと今は、サブスク型の退職代行サービスなんかもあるので、「辞めさせてくれない」「自分から退職報告しにくい」という方は利用するのもありだと思います。
私は退職時に上司に何を言ったかですが、 「今の仕事をもっと続けたいので、スキルアップのために辞めます」と伝えました。
実際、嘘ではないし、本当の気持ちです。
でも、結局あれこれ伝えても、相手には「辞めます」という言葉が一番耳に残るし、「きっと不満もあるんだろうな」と感じるでしょうから、結局は何を言っても一緒だな思っていました。
私も円満退職を望んでいたので、「自分の思ったことはそのままを言った方がいいけれど、役所の不満やグチは絶対に言わないでおこう」と思いながら、上司と話しましたね。
当時の上司(課長)は、部下の意見や気持ちを聞いてくれる人だったので、無理な引き止めにも合わずに済みました。
ただ、その上司はあと2年で退職だったので、「できれば一緒に卒業したかったな」と少し寂しげに言われたことを今も覚えています。
私がとった、市役所を辞める前の行動
(1)転職先を探す。アウトドア専門学校と出会う
市役所を辞めようかなと思ってからは、転職サイトを見たり、仕事情報を探したりするようになりました。
そこでネットを検索していて、たまたま見つけたのがアウトドア専門学校です。
当然最初は「学生になって、どうやって生活していくんだ?」と思いました。
でも、NPOや教育関係の転職先と比較した結果、アウトドア専門学校が一番面白そうだったので、入学を決めましたね。ほぼ直感です。
この学校に出会ったことで、やってみたいことが見つかり「このタイミングかな」と思って市役所を辞めました。
私の場合はネットで情報を探したり、ビジネス書を読んだりと、ほぼ一人での転職活動でしたが、不安な方は、転職サイトで無料カウンセリングを受けてみるのもありだと思います。
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(2)誰にも相談はしなかった
市役所を辞める相談は、誰にもしませんでした。
その理由は、自分の人生は、自分で決めないと後悔すると思ったからです。
他の人の意見を聞いても気持ちが迷うし、好き勝手に意見を言われるだけと思ったので、誰にも相談しないことにしました。
退職を報告した上司からは、「相談してほしかったな」と、ちょっと悲しそうに言われてしまいましたけどね。
この2つの理由では絶対に辞めないと決めていた
ただ、前々から、自分の中で「この理由ではやめないぞ」と決めていたことが2つあります。
(1) 人間関係
人間関係がイヤだから、辞めることだけは絶対にしないでおこうと思っていました。
実際、職場でチクチクと嫌味を言ってくる先輩もいたものです。
>そのせいで、家に帰ってからもずっとイライラしていることがありました。感情のコントロールが上手くできず、休みの日もそのときのことを思い出してはイライラ。
でも、人間関係のトラブルはそれをちゃんと解決して先に進まないと、また次も同じトラブルが起こるとある本で読んだので、それが原因で辞めることはしないと思っていました。
(2) ネガティブな理由で辞めること
辞めるときは、何かやりたいことができたり、目指すものが見つかったりという理由で辞めたいと思っていました。
退職にプラスの理由を求めていたわけです。
だから、辞める理由を聞かれたときも、前向きな理由がなければ辞めないと決めていました。
当然、職場ではイヤなこともあったし、上司や仕事の内容のことで腹が立つこともしばしばありました。
ですが、辞めるときはそれを上回るポジティブな気持ちで辞めたかったのです。
今思えば、辛くなるまでその仕事を続ける必要はないと思いますが、当時はそんな風に考えていましたね。
当然、収入がなくなる不安はあった
私の場合、転職ではなく学生を選んだため、当然、収入がなくなる不安はありました。
当時は、引越しなどで貯金もほとんどありませんでしたね。
では、学費や生活費はどうしていたのかというと、奨学金でまかなっていました。
学校説明会のときに事務局の人と話して、「奨学金で何とか暮らせるよ」とのことだったので。
そのため社会人を辞めて、学生に戻れました。
ただ、手元からお金がなくなっていくのは、ものすごい怖いです。
覚悟していても不安になります。
私は実際ほとんど経済的な計画性をもたずに、市役所を辞めてしまったので、転職もしくは退職するときは、少しでも貯金しておくことをおすすめします。
まとめ
公務員は、安定した職業だと言われます。
周りからもそんな風に言われるので、「辞めるのはもったいない」と思うこともあるでしょう。
でも、人生は一度きりです。
私は「好きな仕事で生きられるのか知りたい」と思ったので市役所を辞めましたが、転職も退職も大きな決断になるので、必ずしも辞めた方がいいとは言えません。
養う家族がいたり、生活のためであったり、人それぞれ事情がありますから。
ただ、後悔しない人生を歩みたいのであれば、時間をかけてでも、自分の将来について真剣に考えてみてもいいのかなと思います。
自分が散々悩んで出した結論なら、たとえどんな結果になったとしても、後悔はしないし、きっと納得できるはずです。
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