ライティングで「それ」「あれ」の指示語は適度に使うべき

ライティングで「それ」「あれ」の指示語は適度に使うべき ライティング・文章
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Webライティングでは、「指示語(こそあど言葉)は極力使わないようにする」というルールがあります。

指示語とは、「あれ」「それ」「ここ」といった表現です。

Webライター初心者の方だと、結構使いがちなのではないでしょうか?

一方で、全く指示語が入っていない文章も、読んでいておかしな感じがします。

本当の意味で文章の読みやすさを追求するのであれば、指示語は適度に使うのがいいでしょう。

そこで今回は、指示語を適度に使うべき理由について、Webライター歴3年の筆者が解説します。

指示語だと読者に意味が伝わらない場合がある

Webライターの世界では、「これ」「それ」などの指示語(こそあど言葉)をなるべく使わないようにするのが一般的です。

なぜなら、指示語はとても曖昧な表現だからです。

これが直接相手と会っての会話であれば、「それ」「あっち」といっても、実物を目で確認できる上、相手の表情も分かるため、話し手の意図も問題なく伝わるでしょう。

しかし、文章ではそうはいきません。

論理的でない文章で指示語を多用すると、ライター側が「それ=〇〇」と思っていても、読者は「それ=▲▲」と受け取ってしまう可能性があります。

場合によっては、「『それ』ってどれ?」と思われてしまうこともあるでしょう。

メディアやブログ記事では、いくら写真や図があったとしても、あくまで情報の中心は文章です。

読者はたとえ意味不明な文章が出てきたとしても、書き手の表情を見ることもできなければ、簡単に聞き返すこともできません。

「それ」「あれ」などの指示語は、前の文章のどこかを指し示す言葉なので、論理的な文章が書けていれば、きちんと読者は理解できます。

ただし、自身の文章力によっては、読者に「『それ』ってどれ?」と思われる可能性があるので注意が必要ですね。

指示語が全くない文章は、リズムが悪い

ここがライティングの難しいところなのですが、文章中で指示語を一切使わないようにすると、かえって読みにくい文章になります。

読みにくいというよりは、リズムが悪いといった感じでしょうか。

少し感覚的な話になりますが、文章では明らかに話の流れで、「ここでの『それ』はこの意味しかない」と思える場合があります。

たとえば、以下の文章を見てください。

「まず、ボールに砂糖と醤油、酒を入れて混ぜます」

「そこに、生姜も加えましょう」

この場合の2段目の「そこ」は、明らかに「ボール」を示しています。

もっと厳密にいえば、「砂糖と醤油と酒を入れたボールの中」です。

普通に国語ができる読者であれば、誰もが「そこ=ボールの中」と理解してくれるでしょう。

しかし、ライティング案件で「指示語は禁止」とのマニュアルがあるケースもありますよね?

その場合は、上記の文章が少し野暮ったくなります。

「まず、ボールに砂糖と醤油、酒を入れて混ぜます」

「加えてボールの中に、生姜も加えましょう」

2段目の「そこ」を「加えてボール」との表現に変えました。

文章自体は、指示語あり・なしのどちらでも通じます。

しかし、指示語なしの文章の方は、どこかリズムが悪いと感じないでしょうか?

ビジュアル的にも、近い距離で「ボール」という言葉が2回も出てきて、うっとうしい印象がします。

「これ」「そこ」などの指示語は、読者にどの部分か伝わりにくい場合があることも事実ですが、指示語を全く排除した文章にすると、今度は読んだときのリズムやビジュアルが悪くなります。

指示語を適度に使えると、文章がスマートになる

お気づきの方も多いと思いますが、私のブログでは割と指示語を使っています。

ライティング案件では、指示語の多用に気をつけていますが、ブログでは結構使いますね。

その方がリズミカルだし、気持ちの乗った文章も書けるので。

新聞や本などを読んでみると分かりますが、プロの人は適度に指示語を使っています。

指示語を使うとスピード感が出るので、文章がスマートになります。

読んだときのリズムも心地良く、ビジュアルも良くなるので、指示語は適度に使いたいところです。

ただし、ライター初心者のうちは癖で指示語を使ってしまいがちなので、最初は意識的に「こそあど言葉」を使わない文章を書いてみるといいでしょう。

指示語を使わずに文章を書くトレーニング、ともいえますね。

Webライターが最優先すべきは、文章のスマートさよりも、読者に正しく情報を伝えることです。

自分の書いた文章を見て、「これ」「それ」などが目立つようであれば、具体的な言葉で置き換えられないかを考えてみましょう。

そういった地道な積み重ねで、文章は上達していきます。

私もそうですが、何となくの勢いで指示語を使っているときも結構ありますからね(接続詞代わりにしているとか)。

他人のメディアやブログ、本、雑誌などを読むときは、どんな風に指示語を使っているかにも注目してみるとおもしろいですよ。