職場の人や友人と話をしているとき、「それ、知ってる」と言いたくなる場面はありませんか?
せっかく親切に教えているのに、相手から「あ、それ知ってます」と言われると、しょんぼりしてしまいますよね。
「知ってる」は普段何気なく言ってしまう言葉ですが、言うことで相手も自分をも不幸にしている可能性があります。
そこで今回は、「それ、知ってる」という言葉が、自分や相手に与える影響について解説します。
職場や友人との関係をイメージしながら、気楽に読んでみてくださいね。
「それ知ってる」の一言は、相手も自分も不幸にする
私は、職場でも友人と話すときでも「それ知ってる」と言わないように気をつけています。
仕事ですでに知っていることを上司や先輩、同僚から教えられると、「あ、それ知ってます」と言いたくなりますが、そこをグッと堪えるのです。
自分が言われる側の立場になるとよくわかりますが、せっかく丁寧に教えているのに、相手から「それ知ってます」と言われると話す気が失せませんか?
確かに知っているのは事実だし、隠す意味もないのかもしれませんが、「知ってる」と言うことで、相手の気持ちを傷つけている可能性があります。
そして「知ってる」と言ってしまうことには、もう一つ、副作用があります。
それは、二度とそのことについて教えてもらえなくなることです。
自分が「知ってる」と言うと、相手はうっすら傷つく上、「ああ、知ってるのね。だったらもう教えないよ」という気持ちになります。
「知ってる」と言うことで、自分が成長する機会も失っているのです。
相手の話を最後まで聞いて「やっぱり、知っている内容だった」と思うこともありますが、少しでも知らないことが勉強になったなら儲け物です。
だから、私はあえて知っていることでも、知らないふりをすることがあります。
私が「知ってる」と言えば、相手は多少なりとも気持ちが沈みますし、私自身も成長の機会を逃すことになります。
逆に、初めて聞くように相手の話を聞けば、相手は満足感を得られますし、こちらも新たな情報を得られる可能性が残ります。
「知ってる」と言わないことは、相手にとっても自分にとっても、良いことばかりなのです。
「それ知ってる」と言ってはいけない2つのシーン
どんなときに「それ知ってる」と言ってはいけないのかというと、私は主に以下の2つのシーンかなと思っています。
・知識を教えてくれているとき
主に、仕事で当てはまるパターンです。
仕事の知識や情報、やり方などは、そう何度も教えてくれることではありません。
新人の頃は丁寧に説明してくれたとしても、ある程度、経験年数が経つと教えてくれる機会も減ることがあります。
中には「これどうだっけな?」と思っても、初歩的なことすぎて聞けないこともあるでしょう。
だからこそ、たとえ自分が知っていることを相手が話していても、知らん顔して聞いておく必要があります。
全部聞いて知っていた内容だったら、「やっぱり知ってることだった」と思えばいいだけですし、知らない情報が紛れ込んできたらラッキーです。
最後まで「知ってる」と言わずに話を聞くことで、相手も気分が良くなりますし、次もまた仕事のことを教えてくれるでしょう。
・相手が気持ちよさそうに話しているとき
同僚や友人との会話中に、誰かが「こんな情報あるんだよ」「実は〇〇ってこうなんだ」と言わんばかりの勢いで、話をするときってありませんか?
こんなとき、相手側としては「みんな知らないかもしれないから、教えてあげた」という気持ちでいます。
私はそういう楽しい気分で相手が話をしているときは、基本的にジャマしてはいけないと思っています。
せっかく楽しい気持ちで相手が話しているのに、「あ、それ知ってる」と自分が言って、わざわざ相手の気持ちをしょんぼりさせる理由がありません。
「本当は知ってる。だけど、知らない」
そんなフリをするくらいで、ちょうどいいのです。
こちらが「知ってる」と言わなければ、相手は楽しい気持ちで会話を続けられるわけですからね。
相手が楽しい気持ちを共有したいときは、思い切り「知ってる!」と言おう!
相手に対して「楽しい気持ちを共有したいのかな?」と感じたときで、自分もそのことについて知っているときは、思い切り「それ知ってる!」と言ってあげましょう!
具体的には、こんなときです。
・昨日テレビで見た番組がおもしろくて話にきているとき
・気に入ったアーティストや曲を見つけたので聞いてほしそうなとき
・街でとんでもなくカッコいい人(かわいい子)を見つけたとき
ポイントは、相手の「話したくて仕方ない!」という感情を読み取れるかどうかです。
たいてい、話したくて仕方のないときは、テンションが上がっていたり、笑顔になっていたりしますね。
その「話を聞いてほしい」「誰かとこの気持ちを共有したい」というときに、相手からも「それ知ってる!いいよね」と言われると嬉しくなりませんか?
自分が「これはいい」と思ったものを、他の誰かも「いい!」と言ってくれると嬉しいものです。
相手が「この情報を伝えて一緒に盛り上がりたい」と思っているときで、自分もそれについて知識がある場合は「それ知ってる!」と言ってあげると、楽しい時間が過ごせますよ。
まとめ
すでに自分が知っていることを相手から再び聞くと、つい「知ってる」と言ってしまいたくなります。
でも、そこはグッと我慢しましょう。
自分が「知ってる」と言わなければ、相手は気分を害しませんし、こちらも新たな知識を得るなど成長の機会を失わずに済みます。
お互いが気持ちよく会話を楽しめる一つの方法が、あえて「知ってる」と言わないことだと思っています。